歴史小説・時代小説10選

1.奸婦にあらず

       

  新田次郎文学賞受賞の傑作。村山たかを主人公・主な登場人物として描いた作品は

       他にも徳永 真一郎さん著「影の大老」がありますが、私は諸田玲子さんが描く村山

       たかのほうが好きですね。登場人物の描き方も本作のほうがより魅力的です。

       井伊直弼を愛した日本初といわれる女スパイを描いた作品です。

2.明智左馬助の恋

 

  個人的には加藤廣さんの最高傑作だと考えております。あまり歴史上も着目されな

       い明智左馬助を主人公にし、妻との愛を描いた歴史小説傑作です。著者の早すぎる

       死が残念でたまりません。

3.絵ことば又兵衛

 

        岩佐又兵衛が吃音に悩んでいたとは本作に出会うまでは知りませんでした。戦国武

  将 荒木村重の子でありながら、村重が織田信長を裏切ったばかりに、己の出自を知

       ることもなく天才絵師として大成していく姿を描いた傑作です。

4.満つる月の如し

 

       平安時代の仏師 定朝を描いた中山義秀賞受賞(受賞時最年少)の傑作。平安貴族の

       権謀術数が渦巻く中、真に市井の人々に現世の仏を見せんと、己と葛藤しつつ大成

       していく仏師を描いた傑作です。ラストは意外な結末が…

5.我が名は秀秋

 

       ぼんくら・裏切り者としての評価が定着している小早川秀秋が実は智将であったと

       いう仮定で描かれた傑作。歴史は勝者が描くもの。もしかしたら本当はこうでは

       あったのではと楽しめながら読める傑作です。本当に朝鮮との戦では本作で描かれ

       ている戦術だったらとワクワクしながら読めます。

6.宇喜多の楽土

 

        「宇喜多の捨て嫁」もよいですが、こちらの作品も傑作です。干拓し豊かにした備

         前とその民のために戦った戦国武将 宇喜多秀家を描いた傑作です。

7.覇王の番人

 

        明智光秀びいきの人にはたまらない傑作。光秀に仕える忍者小平太も軸に細川ガラ

        シャ救出作戦など面白いことこの上ないです。最後は意外な結末が…

8.真田太平記

 

      面白いなぁ。私は最終巻が一番好きかもしれないです。この本を読むまでは、大坂

      の陣の後に真田信之を待ち構えている運命を知りませんでしたが、祖父・父譲りの

      知恵で真田家を存続させた智将としてもっと評価されていいと思います。

9.実朝の首

      

 

        惜しくも亡くなられた葉室麟さんの代表作は「蜩の記」と誰もが思い浮かべるかも

       しれませんが、私は実朝の首が一番好きですね。どこまでが史実に則っているのか

       わかりませんが、秦野に実朝の首塚がありことからも、そうだったかもしれないと

       読者を楽しませてくれます。

10.長英逃亡

 

       幕末の蘭学者高野長英の逃避行記。いつ捕まってしまうのかとはらはらしながら一

  気に読めます。最後はかなり悲惨な…